2007年12月19日水曜日

ミサイル防衛などいらない

 18日、イージス艦「こんごう」から発射されたSM3ミサイルが、仮想敵ミサイルを打ち落とすことに成功したというニュースが飛び込んできた。
 米国が提唱するミサイル防衛をいち早く導入すると決めた日本だったが、米国の隣国カナダは世論の軍拡につながるという声にこたえ、導入を否決している。
 また米国のミサイル防衛開発者、前担当者からも発射時間も分かり、お膳立てされた海域で待っているイージス艦から弾道を追って発射されたミサイルが当たった当たったと手放しで喜んでいいのか、という疑問がだされている。打ち落とされるかもしれないと分かっていながら、囮も撃たずに弾道ミサイルを撃ってくる国などどこにもないと思う。対費用効果に疑問が残る。
 イージス艦「こんごう」には、このミサイルは装備されていなかったので急きょ改造を施したものである。開発費にいくらかかるのか。配備していくのにいくらかかるのか。ミサイル防衛とは、海上からのSM3ミサイルと、既に配備が終わっている(航空自衛隊入間基地、習志野基地)パトリオットミサイルとの二段構えで敵ミサイルを打ち落とすというものだ。初期配備の総費用予算は1兆円だという。
 カナダ国民が選んだ軍拡につながるという選択は、私は正しいと思う。日本では、北朝鮮のテポドンなどのミサイルを仮想敵ミサイルと看做しているが、一隻当たり積めるSM3は、9発以下だ。実戦配備に付く「こんごう」の他に3隻が追加されると言うが、36発のミサイルで足りるのかという不安が頭を持ち上げてくるのは目に見えている。仮想敵国に北朝鮮などを想定し、国防予算が増大して行くのはこのことからも分かるからだ。ましてや日本上空を通過する他国を攻撃するミサイル(米国しか見当つかないが)にどう対応するのかという議論(集団的自衛権)は、後回しにされたままだ。こんなものいらない。

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